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仁木文庫データベース化プロジェクト

仁木文庫 築138年の仁木邸に遺された、およそ1,000冊の記憶

明治21年に建てられた仁木邸には、菊池高等女学校で教え、戦地に散った仁木唯喜(ただき)先生が 学んだ蔵書が遺されていました。その一冊一冊をデータベース化しながら、「日本のこころ」を 静かに問い直す研究会を、毎週水曜日に開いています。

明治21年築・国登録有形文化財 申請中 蔵書 およそ1,000冊 毎週水曜 データベース作業 3か月ごと 研究発表会

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仁木邸と仁木文庫のあゆみ

一軒の家に、時が積み重なる

仁木邸は明治21年の建築から138年、地域とともに時を重ねてきました。その歩みの中に、 教壇から戦地へ向かった唯喜先生の物語と、令和になって蔵書と出会い直した仁木文庫の はじまりがあります。

仁木家の家系はさらに遡る。弘仁2年(811年)、始祖・仁賀木右近が公家として伊賀より 菊池に下り、袈裟尾に住して仁木を名乗ったのが始まりと伝わる。天明3年(1783年)、 喜三次が分家して新たに仁木家を興し、以来の代を重ねて仁木邸の建築へとつながっていく。

  1. 明治21年

    仁木邸、建つ

    現在の仁木文庫の母屋にあたる仁木邸が建てられる。棟札には「明治貳拾壱年八月吉日建立 仁木嘉久蔵」の文字が遺る。以来138年、地域とともに時を重ねてきた。

  2. 明治43年

    唯喜先生、生まれる

    仁木家の長男・仁木唯喜(ただき)先生、熊本県菊池郡隈府町に生まれる。

  3. 昭和17年

    教壇に立つ

    広島高等師範学校を卒業し、熊本県立菊池高等女学校(現在の菊池高校)の教諭となる。

  4. 昭和19年

    教壇から戦地へ

    現職のまま召集令により、熊本十六部隊に入隊する。

  5. 昭和20年

    終戦を待たずに

    2月7日、中支・湖南冷水舗にて戦病死(マラリヤ兼回帰熱)。終戦のおよそ半年前、唯喜先生が再び教壇に立つことは叶わなかった。

  6. 令和6年

    仁木文庫、はじまる

    仁木裕明氏から仁木義邦氏へ仁木邸が引き継がれ、整備が始まる。その過程で、唯喜先生が学んでいたおよそ1,000冊の蔵書と出会った。

  7. 令和8年
    7月〜

    文化財としての、これから

    国の登録有形文化財(建造物)への申請を進めており、令和8年7月以降、文化庁による第一次現地調査が予定されている。

その痕跡は、いまも仁木邸のあちこちに遺っています。

仁木邸の棟札
棟札「明治貳拾壱年八月吉日建立 仁木嘉久蔵」
仁木邸の現在の外観
仁木邸 現在の外観
改修中に現れた壁の下張り
改修中に現れた、二階座敷の壁の下張り
仁木邸の庭
節子叔母が丹精込めた庭
遺された蔵書

消された言葉と、向き合う

唯喜先生が学んだ書棚には、国語教育や修身など、当時の教育やものの考え方を伝える書籍が 数多く並んでいました。その中には、GHQ の WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・ プログラム)——「強い日本を二度と復活させないための政策」——によって、無きものとして 扱われた本も少なくありません。

「復刻本なら見たことがある」という方も、いらっしゃるかもしれません。
仁木文庫にあるのは、その原本です。

仁木文庫 蔵書より

焼かれ、隠され、忘れられかけた一次資料が、ここには確かに遺っています。仁木文庫は、 それを一冊ずつ読み、記録し、データベースという形で次の世代に手渡していく作業を 続けています。以下は、実際にデータベース化した蔵書の一部です。

『國語教育大道』の書影と書誌情報
分類① 国語教育・読み方
著者
八波則吉(第五高等学校教授)
出版社
東洋図書株式会社
刊行
昭和8年1月28日

國語教育大道

「國語教育の目的は、國語を教授することに依って、健全にして有為なる国民を養成することであります」と説く一冊。 感想:教育の目的として「国家の興隆に役立つ国民を養成する」ことが挙げられているが、これは戦後の私たちにはあまり教えられてこなかった視点ではないか。

『女子新修身書教授備考』の書影と書誌情報
分類② 修身
著者
下田次郎(文学博士)
出版社
東京開成館
刊行
大正12年3月24日(第四修正版)

女子新修身書教授備考

教育勅語の精神に鑑み、子女の精神と使命を道徳をもって教育する側のための書。 感想:大正から昭和にかけて5刷を重ねた。この時代、女性が社会・家庭にどうあるべきかを導いた教育の姿が伝わってくる。

『大日本帝国憲法の根本義』の書影と書誌情報
分類③ 日本の精神文化
著者
筧克彦
出版社
岩波書店
刊行
昭和11年6月15日

大日本帝国憲法の根本義

皇国精神と大日本帝国憲法を解説する一冊。本文には、天皇・皇祖天神を中心とした同心円の図が示される。 感想:当時の世界観を伝える資料として、驚きをもって読んだ。

『日本理想主義』の書影と書誌情報
分類③ 日本の精神文化
著者
増田榮
出版社
新歴史派思想研究會
刊行
昭和13年4月1日(第一版)

日本理想主義

「日本精神は、世界の運命の批判に堪へるものでなくてはならぬ。世界の運命とは宇宙精神である」と説く。 感想:外国文化を否定し絶滅させる植民地主義ではなく、包容し統一していく思想として書かれていることが読み取れる。

『國體に対する疑惑』の書影と書誌情報
分類④ 皇国
著者
里見岸雄
出版社
アルス
刊行
昭和4年12月29日

國體に対する疑惑

天皇の尊厳と國體の真理を、問いと解答という形式で釈明しようとした一冊。 感想:目次ごとに疑問を投げかけ、読者の意識を導いていく構成に、当時の時代状況がうかがえる。

蔵書カード(第1期〜第7期・570枚)を見る →
※ 蔵書カードの閲覧は、クラウドファンディングでご支援いただいた方限定の返礼品です(表紙写真と7項目を、パワポのカードと同じ形でご覧いただけます)

仁木文庫が問うもの

日本のこころを、もう一度

仁木文庫は、遺された一次資料と向き合うことを通じて、次のような問いを、押しつけることなく、 一緒に考えていきたいと思っています。

答えを急いで用意するのではなく、一次資料に学び、他の方々の意見を集め、そこから二次資料を 創造していく——それが仁木文庫の進め方です。

研究のすすめ方

一次資料に学び、意見を集める

研究にとって命となるのは、一次資料です。仁木文庫では、蔵書そのものに学び、そこに他の 方々の意見を重ねていくことで、二次資料を少しずつ創造しています。

毎週水曜 午前

書籍のデータベース化

仁木文庫の蔵書を一冊ずつ手に取り、書誌情報を記録しながらデータベース化を進めています。この作業そのものが、一次資料を後世に残す仕事です。

3か月ごと

研究発表会

データベース化を通じて見えてきたことを、3か月に一度の研究発表会でご紹介しています。関心をお持ちの方は、どなたでもご参加いただけます。

蔵書の分類番号

  • ①国語教育、読み方
  • ②修身
  • ③日本の精神文化
  • ④皇国
  • ⑤ファミリー参考書、教科書
  • ⑥音楽教育
  • ⑦雑誌、婦人画報
  • ⑧宗教
  • ⑨教育理論
  • ⑩その他

1冊ごとに記録する項目

  • 1分類番号
  • 2著者
  • 3文献名
  • 4出版社
  • 5出版年月日
  • 6内容紹介
  • 7感想
これからの仁木邸

未来を、どう構想するか

未来の社会像として、ピーター・ティールは「テックによる管理社会」を構想しました。 仁木文庫が目指すのは、それとは異なる方向です。

一つの構想

テックによる管理社会

効率と統制によって秩序を保とうとする未来像。

仁木文庫が目指す構想

感情の豊かさと、人間関係の厚み

制度だけでなく、人と人との関係の厚みを取り戻すこと。仁木邸の改修も、そうした善き社会に寄与できる時空間を目指して進めています。

仁木邸という一軒の家と、そこに遺された言葉から、もう一度、そういう社会のかたちを 考えてみたいと思っています。

仁木邸の改修計画図(手描き平面図)
仁木邸 改修計画図(手描き)
研究発表会のご案内

第6回研究発表会

およそ1,000冊の書籍のデータベース化が、ついに完了しました。本音を語れる仲間となって、 日本のこころを体感するひとときを、仁木邸でご一緒しませんか。

第6回研究発表会 案内チラシ(表) 第6回研究発表会 案内チラシ(裏・仁木文庫スタッフ紹介)

チラシを押すと大きく開きます。印刷用のチラシ(PDF)はこちら

日時
令和8年(2026年)11月25日(水)13:15〜16:30(受付 13:00〜13:15)
場所
仁木邸(菊池市 袈裟尾1008)
参加費
8,000円(資料書籍込み)
後援
菊池市教育委員会
  1. 第1部 仁木文庫紹介と講話① 松生由紀子「結婚と女性の生き方―戦前・戦後・令和 Ⅱ」
    ② 岡田京子「戦中、戦後を生きた二人の思想家の岐路 Ⅴ」
  2. 第2部 参加者の皆様の自己紹介(休憩10分)
  3. 第3部 講話③ 金森美穂「この波にのっちゃえ」(特別出演)
    ④ 仁木義邦「『産霊(むすび)』という生き方」
  4. 第4部 意見交換16:30 閉会

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お電話・メールでも受け付けています

チラシと同じ申込先です。お気軽にご連絡ください。

申込先
仁木文庫館長 仁木義邦
お電話
090-7530-0248
ご支援のお願い

クラウドファンディングに挑戦しています

築138年の仁木邸は、壁や床が傷み、雨漏りの被害もあります。蔵書も湿気や虫で少しずつ傷んでいます。 データベース化と建物の再生を進め、研究・教育・地域交流の文化拠点として、次の100年へつなぎたいと考えています。

熊本・菊池の築138年の仁木邸と戦前の知の遺産1,000冊を、次の100年へ

74,000円目標金額 10,000,000円
支援者 11人2026年10月7日に確認した時点の数字です。最新の状況はCAMPFIREのページでご確認ください。
  • 1,000円〜お礼メール、note限定記事、研究発表会への参加(支援者価格)
  • 10,000円上記に加え、研究資料PDF 1冊
  • 30,000円研究発表会へのご招待、研究資料PDF、研究冊子
  • 100,000円上記に加え、データベース冊子、10年間の芳名プレート掲示
CAMPFIREでプロジェクトを見る →

ご支援いただいた方には、蔵書カードの閲覧パスワードをお渡ししています。

ご参加をお待ちしています

仁木文庫へ、ようこそ

このプロジェクトにご興味を持たれた方を、心よりお待ちしています。研究発表会の見学、 蔵書整理へのご参加、資料に関するお問い合わせなど、どうぞお気軽にご連絡ください。

研究発表会:3か月ごとに開催
蔵書データベース化作業:毎週水曜 午前
お問い合わせ先:仁木文庫 館長 仁木義邦 電話 090-7530-0248 メール niki@nikibunko.com